残価設定型クレジット(残クレ)について

生活

こんにちは、じじグラマーのカン太です。
50歳目前、日々生活費に追われながら週末プログラマーをしています。

先日車を買い替えました。
残価設定型クレジットの罠にはまりました。
貧乏人と情報弱者からお金をむしり取るシステムができあがっているようです。

この記事では残クレの罠にはまったお話(体験談)を紹介します。

5年前、残クレを選んだ理由

都会のワカモノ達にとって、車が憧れやステータスだった時代はとうに過ぎ去りました。
しかし、田舎住み&子供あり中高年の僕にとって車は必需品です。

今を遡ること5年前、10年前に購入した車のローンがきついなぁ、ガソリン代も高いしなぁ、と思って悶々としていました。

そんなとき、ホ〇ダのセールスマンから
 「ハイブリッド車に乗り換えませんか?残クレならローンの支払い額を抑えられますよ」
という悪魔のささやきを聞かされました。

生来疑い深い僕は、セールスマンから残クレのメリット・デメリット、主にデメリットの面をしっかり聞き出しました。そして、冷静に考えて「残クレ」での新車乗り替えを決定したのでした。5年後に後悔することになるとも知らずに・・

当時の月々の支払額から2万円ほど下がり、その上で新車に乗れるのです。
「こんなウマい話に乗らないなんてアホや」

・・もちろん、アホはそんな話に飛びついた僕なのでした。

残価設定型クレジットとは?

数年後の買い取り保証額、つまり「残価」を設定。その残価を除いた金額を、分割でお支払いいただく買い方です。

株式会社ホンダファイナンスのWebサイトより

買い取り保証額を差し引いた金額を、しかも分割で支払うので月々の支払を安くできるのです。

記サイトの例では、ホ〇ダのステップワ〇ン(3,427,600円)が月々31,400円で買える、となっています。同条件での自動車ローンを計算してみると、55,849円(概算)です。こう見ると、かなりお安く新車を購入できることがわかります。

購入資金を抑えて新車に乗ることができる」という部分だけ見ると正しいのです。

決められた年数の支払が終わった後は

  • 新車に乗り換える
  • そのまま乗り続ける
  • 車両を返却して終了

のいずれかを選ぶ仕組みとなっています。

新車に乗り換える場合

その車両を返却すればいいだけなので、基本的には追加費用なし。

そのまま乗り続ける

最終回お支払い分(残価として設定された金額)を一括か、分割再ローンで支払う。

車両を返却して終了

その車両を返却すればいいだけなので、基本的には追加費用なし。

へぇ、残クレって車を安く買えるね。
お得なんじゃない?

こんなふうに感じられたあなた、5年前の僕と同じです。
僕もそう思い、残クレに飛びついてしまったのです。

一旦、僕の話は置いておいて、残クレのメリットとデメリットを見ていきましょう。

残クレのメリット

毎月の支払額を安く抑えられる

総額の50%とか60%くらいの支払額になるので、月々の支払いはとっても楽チンです。

3~5年のサイクルで新車が買える

新車の買い替え時期を悩まなくてすみます。

残価が保証されている

新車購入時に残価設定されるので、次回買い替え時、予想外に下取り価格が下がっていたなんてことはありません。

メリットのまとめ

・・こう見るといいことだらけですね。
月々の支払額が低いのはありがたいです。で、僕はその貧乏人ホイホイに引き込まれました。

そこには当然安くなるカラクリがあるというにも気づかずに。

では、続いてデメリットを見ていきましょう。

残クレのデメリット

利息が割高になる

月々の支払額は抑えられるのですが、利息は残価も含めた総額についてかけられます。「支払額が少ない=元金が減らない 」ということでもあるので、最終的には普通の自動車ローンよりも支払利息が多くなることがほとんどです。

月間の走行距離に制限がある

月々の走行距離の上限が決められている場合がほとんどです。
それを上回ると負担金が発生する場合があるので要注意です。

大きな傷がつくと追い金が発生する場合がある

当然と言えばそうなのですが、事故などで大きな傷などが残ってしまうと、設定された残価より車体の価値が下がってしまいます。その場合は、追い金を負担しなければならない場合があります

残価設定期間後の再ローンの金利が高くなる

新規購入時はキャンペーンなんかで低めに設定されている金利も、残価設定期間が終われば普通の金利に戻ります(小さな小さな字で書かれています)。ボーナスステージ終了みたいなものです。
この金利、バカになりません。特に新車の購入資金を1円でも安く抑えようとする購入層には致命的な金利になってしまうのです(体験者は語る)。

デメリットのまとめ

どれもデカいデメリットばかりですね。説明ではサラっと流されるような話ですが、実際に負担する場合は相当なダメージになります。新車を目の前にして浮かれているお調子もの(はい、僕です)はそんなことにも気づきませんでした。
実際、お金に余裕のある方にしてみれば大したことではないかもしれませんが、月々の負担を抑えたいと思うような生活をしている身とすれば、受け入れられないものばかりです。

残クレ期間を終了してみると・・

残クレ期間が終わるころには給料上がってるかな。
もし同じなら、再ローンを組めばいいや。

と、こんな感じで車を買おうと思ったあなた、危険です!
5年前の僕はそう思って車を買いました。

ここで僕の話に戻りましょう。
明るい未来を想像しながら新車での生活をのほほんと楽しんでいた僕ですが、5年後愕然とすることになります。

もう一度おさらいします。
残価設定期間終了後は、下記のいずれかです。

  • 車を返却して新車を購入
  • そのまま乗り続ける(残金は一括支払いか、再ローン)
  • 車を返却して車生活を終了

5年後(当然のように給料は上がっていませんでした)に僕は、「再ローンを組んでそのまま乗り続ける」を選ぶ予定でディーラーへ鼻唄交じり行きました。そのように担当(5年前に残クレを勧めた営業マンは辞めていました)に伝えると、信じられない資料を見せられました。

なんと、月々の支払が3万円ほどアップしていたのです。

  • 金利優遇措置期間は終了(新車購入時のみ)
  • 車のローンは最長7年間(残り2年)

つまり、残価(新車時の半額くらい)を、高い高い金利でしかも2年で払わないといけないことになっていました。
新車購入時には、そんなことになるとは想像もしていませんでした。説明はあったのでしょうが、具体的な金額までは提示されませんでした。もしされていれば・・

その時点での選択肢は二つ。
 1.高いお金を払って古い車に乗る
 2.新車を残クレで購入(月々の支払が抑えられる夢の方法で・・)

月々の支払いは不可能な額だったので、またまた残クレで新車を購入することになりました。頭金として使えるはずの車の下取り代金はありません。車は返却するので当然ですね。この当然のことも頭にありませんでした。

下取りに出す車は返却するので、頭金を別途用意して(想定していなかったためほんの少し)さらなる残クレ地獄に堕ちていきました。

まとめ

もし、今あなたがお金持ちではないなら、残価設定型クレジットで車を買うのはやめましょう。執筆時点でお金持ちではない僕が、残クレで車を購入して、貧乏スパイラルに陥りました。悪いことは言いません。残クレからは逃げましょう。但し、車なんて安いもの、と思えるくらいのお金持ちの方はその限りではありません。

期間終了後、車を手放すことが確実な人(高齢の方など)であれば、この残クレを使って購入してもいいかもしれません。ただ、今は車のサブスクやカーリースなんかもありますので、そちらを利用する方が費用を抑えられるかもしれませんね。

この記事を読めば、残クレがどれだけメーカーにとっていいものであり、購入者にとって損なものなのかがご理解いただけたと思います。

このシステムを考え出した人、天才だと思います。

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