こんにちは。じじグラマーのカン太です。週末プログラマーをしています。
今回の記事では、引き続き僕がAccessで作ったシステムをクラウドに移行して運用してみた体験談を紹介しようと思います。主によかった点を挙げていこうと思いますので、迷っている方困っている方はぜひ参考にしてみてください。
はじめに
「クラウド化」といっても大したことをやったわけではありません。ここで言うクラウド化とは、なんちゃってクラウド化です。テーブルのリンク先をAccessからPostgreSQLに置き換えて、そのPostgreSQLをクラウドサーバー(これはレンタルしました)で運用する方式に変更しただけのものです。つまり、DBMSとして設置していたAccessにリンクしていたテーブルを、別のDBMSに置き換え、そのDBMSをクラウドサーバーでの運用に変更しただけです。ユーザーは全くのシームレスで、クレームもありません。日本語で定義していたテーブルやそのカラム名をアルファベットに置き換えるのはなかなか骨の折れる作業でしたが、それ以外は満足できる結果となりました。
システムを移行してユーザー様に満足してもらえることなんてほぼないと思っていたので、Accessでシステムを運用していてAccess特有の問題に直面している人には、この方法の「クラウド化」をおすすめします。
Accessの概要とのローカル環境での利用の限界
MS Accessは、Microsoftが提供するデータベース管理システムであり、ユーザーが簡単にデータベースを作成、管理、操作できるツールとして広く利用されています。特に、中小企業や個人ユーザーにとって手軽に扱える点が魅力です。しかし、従来のMS Accessは主にローカル環境で使用されることが多く、そのためいくつかの制約が存在します。
ローカル環境での利用においては、データの共有やアクセスが限定される、バックアップとリカバリが手間となる、そしてスケーラビリティに限界があるなどの問題が挙げられます。特に、複数のユーザーが同時にデータベースを操作する際にパフォーマンスが低下することや、ネットワークの問題によりアクセスが不安定になることがしばしば見受けられます。
こうした背景から、MS Accessをクラウド化することで、これらの制約を克服し、より柔軟で効率的なデータベース管理を実現する方法が注目されています。次に、MS Accessのクラウド化について詳しく見ていきましょう。
クラウド化した方法
なんちゃってクラウド化した方法は以下の通りです。
- VPSサーバーを用意する(レンタル)
- 上記サーバーにPostgreSQLをインストールする
- 上記PostgreSQLにクライアント用Accessからテーブルをリンクする(リンク先を変更)
- テーブルのカラム名等をアルファベットに変更する
- データを移行する
1~3についての実際の作業は下記の記事を参考にしてください。
クラウド化したメリット
ここでは、実際に運用してみた感じたメリットをいくつか紹介します。
ローカルサーバーに接続する必要がない
ネット環境さえあれば、いつでもどこでもデータにアクセスできるようになりました。データの登録や検索などは、リモートでも可能です。時間や場所にとらわれず、どこでも仕事ができるようになったのは大きなメリットのひとつです。あくまで、『どこでも仕事ができる』ということをメリットと捉えるならばですが・・
レスポンスの向上
レスポンス、特に金額の集計などたくさんのレコードを読み込む処理などについては、従来よりも大幅に改善しました。サーバー側で処理をして、結果だけを返してくれるようになったからでしょう。このあたり、専門ではありませんので詳しくありません。あくまで、現象としてレスポンスが改善されたということです。参考までに、データ件数はトランザクション系の多いもので、50万件程度です。
サブシステムとの連携が簡単
データベースがクラウドサーバー上にあるため、他のシステムと連携させることが容易です。新しくブラウザからデータを閲覧できるサブシステムを連携させると、Accessで登録したデータをブラウザで(もちろんスマホでも)確認できるようになります。費用もかからず利便性が大幅に向上するため、これも大きなメリットとなりました。
クラウド化したデメリット
最後にデメリットを少しだけ紹介します。ほぼほぼありませんが、挙げるとすればひとつだけ、VPSサーバーのレンタル費用がかかることくらいでしょうか。と言いましても、小さなシステムであれば月々2000円以下でも十分満足のいくレスポンスを返してくれます。
参考までに僕がレンタルしてもらったのは、
さくらのVPS 2G
で、月々2000円かかっておりません。まずは、このあたりからスタートしてみるのもいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の記事では、僕の担当しているお客様向けのAccessでのシステムをクラウド化してみたお話を紹介しました。
あくまで「なんちゃってクラウド化」なので、ゆくゆくはAccessから離れていくことを考えた上での第一弾としてのクラウド化です。ユーザーにストレスをかけることなくデータをネット上に移行することが可能でしたので、まずは脱ローカルの第一歩として検討してみるのもいいのではないでしょうか。
- データ件数や使用人数が増えてきて、Accessでの運用が難しくなってきた
- 職場以外でもデータにアクセスしたい
- 「MS Access」のクライアントソフト使用料を削減したい
というシステム担当者の方がおられましたら、この方式を参考にしてみてください。
疑問点やお困りのことがありましたら、お気軽にコメントください。
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